結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年07月25日(金曜日)

ヘモグロビンA1c「6.3%」と「債務膨張に揺らぐ世界」の憂鬱

午前中は大手町。

まず東京駅。
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東京ステーションギャラリーでは、
藤田嗣治展をやっていた。
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新丸ビル(右)と丸ビル(左)。
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7分ほど歩いて、
大手町プレイスタワー。
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地下1階の大手町プレイス内科。
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院長は田嶼尚子先生。
私の主治医。
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毎月の血液と尿の検査。

そして診断。

ヘモグロビンA1cは、
なんと6.3%に下がった。

血糖値も尿酸値も良好。

血糖値センサーが効果を発揮して、
自覚が生まれた。

運動量も増えた。

すべて田嶼先生のおかげだ。
感謝しています。

この調子で自己管理します。

帰りに隣接するトモズに寄って、
処方箋で薬を手に入れる。

トモズのおかげでもあります。
感謝します。
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それでも気分は完全には晴れない。
どこか憂鬱だ。

大手町から横浜に戻って、
商人舎オフィス。

倉本長治の本を3冊ほど読み漁って、
3000字の原稿を書き上げた。

そのなかの『日本商人史考』
1967年の労作だ。
長治68歳のときの著書。
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ん~、すごい。

私の書きたい本のテーマでもある。
今も講義で使っている内容も盛り込まれていて、
実に興味深かった。

そして書き上げた原稿の結論のところで、
ある重大なことを発見した。

私自身にとっても、
励みになることだ。

それは原稿を読んでほしい。

朝日新聞「折々のことば」
第3450回。

批評の始まりは、まず
説明しがたい奇妙な細部を

見つけることだ
〈岡崎乾二郎「美術手帖」7月号から〉
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「どんな絵にも、
うまく説明できない細部がある」

「そこで感じた違和を抑え込み、
既存の枠組みで説明しようとすると、
対象は歪(ゆが)んでしまう」

「逆にその違和をもはや違和としない、
理解の枠組みを組み立てるのが批評だ」

岡崎は69歳の造形作家、批評家。

編著者の鷲田誠一さん。
「これは科学上の発見や医師の診断にも
いえることだろう」

商売の技術論にも当てはまる。
それが商人舎8月号特集だ。

倉本長治にも若い時から、
この正当な批評の精神が宿っていた。

それには本当に驚かされた。

日経新聞「大機小機」

コラムニストは無垢さん。
いつも正論を吐く。

テーマは、
「債務膨張に揺らぐ世界」

「世界には債務膨張の危険があちこちにある」

同感だ。

「日本は参院選後の政治の混迷で、
債務がさらにかさむ」

「トランプ米政権による減税・歳出法で、
米国の債務膨張は必至だ」

「ウクライナ戦争は、
NATOの国防費拡大をもたらした」

「大砲(国防)もバター(民生)も」
これは世界経済危機を招く。

ドワイト・アイゼンハワー米国第34代大統領。
1961年の退任にあたって、
「軍産複合体」を警告した。
それが今、世界中に広がっている。

だから私たちは批評の精神をもたねばならぬ。
説明しがたい奇妙な細部を見つけねばならぬ。

「軍と軍需産業がもたれあい
防衛需要を頼みにする限り、
危機の時代は終わらない」

無垢さん。
「『力による平和』は幻想である」

理想論のように聞こえるかもしれないが、
私もそう思う。

だから「技術革新を安易に、
軍事力に結び付けるのは危険である」

「AIの進展はめざましいだけに、
AI兵器の全面禁止が求められる」

「軍拡競争と減税などによる債務膨張が続けば、
危機は世界中に拡散する」

2022年、リズ・トラス英国首相のとき、
「財源なき減税」によって金融危機が起こった。
それが「トラス・ショック」だ。

「通貨安、国債売り(長期金利上昇)、
株価下落という『トラス・ショック』は、
どこでも起きうる」

「その深度は、
トランプ関税による大混乱をも
上回るだろう」

私の憂鬱の真因はここにあると思う。

〈結城義晴〉

2025年07月24日(木曜日)

「日本は二季の国‽!」と寺岡精工&商人舎のコラボプロジェクト

日経新聞夕刊コラム。
「あすへの話題」
再び佐倉統さん。
実践女子大学教授。
「そもそも日本は二季の国」 

「地球温暖化のせいなのだろう、
毎年6月ぐらいから、
猛暑で茹(ゆ)で上がっている」

同感だ。

「桜がきれいだと思う間もなく暑くなり、
いつまで経(た)っても夏が続き、
ふと気がつけば冬がやってくる。
秋という季節自体が
つるべ落としになったようだ」

「いやいや、もともと
二季の国なのだよ」

50年以上前に喝破していたのが、
吉良竜夫大阪市立大学名誉教授。
1919〜2011年。

吉良教授は言った。
「日本は四季の別が明らかで、
自然のめぐみゆたかな国……とは、
かつての国定教科書のうたい文句だったが、
ほんとうはうるわしい春と秋の季節は
あまりにも短い」

「日本の大半は、
長い夏と長い冬の交代する国、
蚊帳とこたつの交代する二季の国なのである」
(梅棹忠夫・多田道太郎編『日本文化の構造』)

佐倉さん。
「快適な春と秋がなくなったのではなかった。
もともと短かったこの2つが、
さらに短くなっただけなのだ。
量の違い。程度問題」

商人舎7月号。
52週MD[2025年 下期編]
月別コンセプトと重点販促テーマを提案する
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「『秋期』が消滅して、
『晩夏・初秋期』となる」

アパレルの専門家・小島健輔さんの指摘だ。

佐倉さん。
「このことを知ったからとて
猛暑がやわらぐわけではないけれど、
季節対応の心構えは変わってこよう」

商売の心構えも、対策も変わってくる。

「四季が二季になったと騒ぎ立てるのではなく、
今の姿は日本がもともと持っていた性質が
少し極端になったのだ、
今までの夏と冬の対策を少し強化すれば
当座は十分なのかもしれない」

佐倉さんは、進化学者。

「信頼できる専門家の洞察は、
事柄の本質を射抜いている。
だから半世紀経っても十分通用する」

本当の専門家の言は、
重視するのがいい。

さて今日は東京・大崎。
山手線で言えば品川の隣。

㈱寺岡精工大崎ビル。
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2019年4月にグランドオープン。
フードインダストリー(食品製造・加工)と、
ロジスティックス(製造・物流)の、
一体型ショールーム。
「テラオカ・エクスペリエンス・ショールーム」IMG_4579 (002)

入り口のモニュメント。IMG_4580 (002)

東京ショールーム。
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寺岡が掲げるスローガン。
「Grow with Green」
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寺岡も環境を問題とする。
「Good for Environment」

座るレジもある。
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「Shop & Go」
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寺岡精工と商人舎のコラボレーション。
プロジェクト第1弾は大詰め。

みんなで満足そうな写真。IMG_7838 (002)
左から一木里華さん、鈴木佐知子さん。
川越純一さん、右は松井康彦さん。

もう一息です。
よろしく。

帰りに吉水小学校児童の作品を見た。IMG_4586 (002)

危険なほどの暑さの日。

それには、なんとか耐えられる。

快適な春と秋がなくなったわけではない。
もともと短かった春と秋が、
さらに短くなっただけなのだ。

だが、それがさらに短くなることだけは、
止めなければならない。

「温暖化」は地球人全員の問題だ。

「Drill Baby Drill!」と口走る、その口に、
「✕」をつけてやらねばなるまい。

〈結城義晴〉

2025年07月23日(水曜日)

「リベラルアーツ」はポピュリズムを寄せつけない。

「リベラルアーツ」という言葉が、
最近は何度も頭に浮かんでくる。

㈱商業界社長を辞して、
翌年から学校法人立教学院から給料をもらった。
ビジネスデザイン研究科の特任教授となったからだ。

この立教大学が、
リベラルアーツ教育を基本としていた。
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リベラルアーツは一般的には、
「教養」と訳される。
立教は「専門性に立つ教養人」と表現する。

「専門という確かな軸をもった上で、
さまざまな学びの分野に触れ、
広く深い視野と多面的かつ
柔軟なものの見方を養う」

中学と高校の時代、
私が通った一貫教育の学校も、
それを重視する校風だった。
私はそう認識している。

リベラルアーツの教育を受けて、
とても良かったと思う。

大学でも1年・2年の教養課程は、
リベラルアーツのカリキュラムだ。

これも良かった。

さまざまな領域を学んだ。

自分で教科をチョイスする。
理系では数学3とコンピュータを選んだ。

数3で微分と積分を教わった。
面白かった。

早稲田キャンパス9号館の高層ビルの、
地下1階と2階が一つのコンピュータだった。
パンチ式の巨大なコンピュータで、
言語はフォートランを使った。

体育では1年次にフェンシング、
2年次でボクシングを選んだ。

これも私には良かった。

ただしピーター・ドラッカーは、
「Knowledge worker」をこう表現する。IMG_4588

「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが、
1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは
教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど顧みなかった」

タイトルは『アーサー王宮廷のヤンキー』
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ドラッカーは言う。
「しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで、
すべて知っていた」

私はここから「知識商人」と言う概念を考えた。

商売のこと、商品のこと、
お客様のこと、地域のこと。
これらを誰よりもよく知っている専門家。
それが、知識社会の「知識商人」だ。

そして、
その専門知識に応じた専門技術を身につけ、
お客様のために動くことができる。
実行することができる。
それが「知識商人」である。

トウェインの小説は、
古き良き時代だった。

このヤンキーたちが今、
「アメリカ・ファースト」に凝り固まっているのか。

いや、「Knowledge worker」たちは、
まだまだカスタマーの役に立って、
そのカスタマーには公平公正に対応しているに違いない。

真の知識商人は、
自分の顧客を見失ってはいないだろう。

仕事こそリベラルアーツだからである。

政治家がさまざまなことを考え、
さまざまなことを言う。
さまざまな思想をもっている。
選挙のときにはそれが凝縮されて表現される。

時には正当な知識を逸脱していたりする。
それが最近は実に多い。

その明らかな間違いは、
「Knowledge worker」にはわかるのだろう。

朝日新聞「折々のことば」
第3446回。
いかなる名目も、
武器をとってもかまわない
名目とはならない。
(金子光晴『日本人について』から)

「人は神の名において戦い、
自由の名において殺しあってきた」

「『理想』を名目に無慈悲に犠牲を求め、
平気で人を見殺しにすらする」

「『理想』は本来『夢みるもの』で、
教育や政治に手渡されると
かならずや悲惨な事態を招く」

「現実の中に差し込まれたそれは
人々を熱情で包み込む。
いったん洪水になってしまえば止(とど)めようがない」

金子は1895年(明治28年)生まれの詩人。IMG_4589

世界を放浪して無国籍者の視野を獲得した。
そして反権力、反戦の詩を多く残した。

詩人の視点のなかにも、
リベラルアーツは含まれている。

映画007シリーズ/ドクター・ノオに、
なんの教育も受けていない美女が登場する。

「私は百科事典から全てを学んだの。
8才の時、Aからはじめて、今はTよ。
たぶんあなたより物知りよ」
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これもリベラルアーツの一つだ。

それは単に「お勉強」ができることではない。
いわゆるエリートではない。

世界を放浪したり、
他国の商売を見たりすることも、
人間形成に資する。

なにより自分の仕事に真摯に向き合う。

リベラルアーツは、
ポピュリズムに踊らされないのだ。
ポピュリズムを寄せつけないのだ。

〈結城義晴〉

2025年07月22日(火曜日)

「男性の日傘、女性服のポケット」と「教科書シリーズ」の技術論

二十四節気の「大暑」

1年で一番暑い15日間。

日経新聞夕刊のコラム「あすへの話題」
実践女子大学教授の佐倉統さん。

本人によく似たイラストだ。
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1960年、東京生まれ。
私よりひと回り若い。

都立日比谷高校から東京大学文科三類へ。
つまり文学部。
1990年、京都大学大学院博士課程修了。
理学博士。

三菱化成生命科学研究所特別研究員、
横浜国立大学経営学部助教授、
ドイツ・フライブルク大学客員教授、
東京大学大学院情報学環教授など歴任。

タイトルは、
「日傘とポケット」

「もうかれこれ10年近くになるだろうか」

「日陰を連れて歩くのは、
なんといっても快適だ。
健康にも絶対良い」

結構早くから日傘派。

「使い始めるまでは抵抗があったのも事実。
男子たるもの、日傘をさして歩くなど、
軟弱この上ない、
とまでは言わないものの、
他の手段があれば、
それに越したことはないと思っていた」

「だが、帽子も似合わないし、
他にしかるべき方法もない。
で、やむをえず日傘を使ってみたら、
なんのことはない、
もっと早く使わなかったことを後悔した次第」

私は帽子を愛用する。
それでも日傘のほうが、
太陽の光を遮る空間が圧倒的に広くて、
それがとてもいい。

私はミズノのゴルフ用傘を、
日傘として使っている。
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UVカット率99.9%。
全体に軽い。

とってのところが、
ずん胴でシンプル。

佐倉さん。
「先日、女性の服にポケットをという
デザイナーの話を目にした」

「この問題、長い歴史があり、
ポケット付き女性服を実現しよう
という運動は何度もあったが、
そのつど反対があってうまくいかなかった」

「そのことを知って、
自分が女性の服にポケットがないことに
疑問を抱いてこなかったことに
今さらながら気づいて、
愕然(がくぜん)とした」

女性服のポケットは、
男性服と比べて小さい。
あるいはついていない。

アパレルの歴史に影響されたようだ。
17世紀末のフランス。
男性のズボンにはポケットがついていた。
女性のドレスは下着にしかついていなかった。

第一次世界大戦が勃発した20世紀。
働く女性が増えて、その衣服にも、
ポケットがつくようになった。

しかしその後、ハンドバッグが流行。
美しさを追求するために、
男性服ほど機能性が発達しなかった。

佐倉さん。
「男子の日傘、女子のポケット。
まだまだ、気づかない躓(つまず)きの石は
たくさんある」

同感だ。

今日はずっと横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎8月号の原稿が、
4本も上がって来た。

いずれも筆者の労作。

それに手を入れつつ、
見出しをつけたりして、
仕上げた。

面白い原稿ばかりで、
今、こんな内容の雑誌は他にない。

今回は「技術論」です。

経営には論理がある。
マネジメントにも、
マーケティングにも、
論理がある。

もちろん戦略にも戦術にも論がある。

戦争論を書いたのは、
カール・フォン・クラウゼヴィッツ。
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小売業の技術にも論理がある。

それがひどく少ない。

「ノウハウ」はあるし、
「ノウハウ本」も数多。

しかし「技術論」は少ない。

私は商業界の時代から、
これを追究してきた。

「惣菜の教科書」
「店長の教科書」
「陳列と販促の教科書」
「青果の教科書」「鮮魚の教科書」「精肉の教科書」

「教科書」はいろいろな分野に、
もともとあった。

それをチェーンストアの「技術論」として、
「教科書」のネーミングを使った。

「教科書シリーズ」は、
私が考え出したものだ。

一番最初は20代。
販売革新編集部員の時代。
1年間の連載記事をもとに、
池田壽太郎「青果物の12カ月」を一冊にした。
これは実に良く売れた。

ただしこれは連載時から、
「青果物ノウハウ本」の要素が強かった。

私は壽太郎先生から、
「選別値入れの理論」や「顔の理論」を学び取って、
それを「技術論」に仕上げた。

ノウハウ本を技術論に仕上げる。
ノウハウに論理をつくる。
ここにポイントがある。

そうするとノウハウは、
論理的に発展し、進化する。

その後、商業界の後輩編集長たちも、
散々、「教科書シリーズ」をつくった。

自慢話になってしまうが、
最初のそれは「男性の日傘」だった。
「女性服のポケット」だった。

商人舎8月号はその「技術論」特集です。

ご期待ください。

〈結城義晴〉

2025年07月21日(月曜日)

海の日に思い出す「ハワイ研修会」と6大新聞の「社説」の違い

Everybody, Good Monday!
[2025vol㉙]

2025年第30週。
7月第4週。

三連休最後の日、
海の日。

海は好きだった。
若いころは毎年のように、
泳ぎに行った。

しかし最近はそれは考えられない。

最後に海に入ったのは、
いつだろうと考える。

ブログは便利だ。

2019年9月9日。
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まさに海の日だった。
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第6回商人舎ハワイビギナーズコース。
9月第1週に開催した。

モアナルアガーデン。
モンキーポッドの木の前で。
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2014年から始めて、好評を博したが、
コロナ禍によって中止した。

あれ以来、海からは遠のいた。

毎回、最終日のディナーパーティーは、
海を臨むバーベキューレストラン。
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みんなとサンセットを見た。
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大きなおおきな夕日。
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そして誕生祝いをしてもらった。
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渡航費が急騰した上に、
物価が高くなって、
ハワイ研修は実施できない。

しかし現在も全米小売業ランキング10位の、
9社がハワイで見ることができる。

1位Walmart
2位Amazon.com
3位Costco
4位The Kroger
5位The Home Depot
6位CVS Health
7位Target
8位Walgreens Boots Alliance
9位Lowe’s
10位Albertsons

このなかで4位のクローガーだけが、
ハワイに進出していない。

他の企業には訪れることができる。

ホールフーズマーケットは今や、
アマゾン傘下だが、
ワイキキビーチそばの最新店では、
そのエッセンスを学ぶことができる。
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オアフ島のノースショアでは、
オーガニック農園を訪問する。
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海の日に、ホノルルのことを思い浮かべた。
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今週はずっと横浜にいる。
できるだけ原稿を書きたいと思っている。

海の日の祝日は何もしなかったが、
ほんとうにいい休養になった。
土曜日には長野に行くつもりだ。

来週も頑張ろう。

さて昨日の参議院選。

日本の政治の大きな転換点となった。
そう思うし、そう書いた。

そしてそれは「政党政治」の終わりかと思う。
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新聞各社の社説。

読売新聞と産経新聞は、
石破茂総理は退陣せよと指摘した。

読売。
「野党にとっては、衆参の選挙で戦った首相が
自民党総裁のままでは、協力しにくいだろう。
野党に連立参加を促す上でも、
首相は進退を決するべきだ」

産経。
「参院選でも大敗した首相に
国のかじ取り役は任せられない」

自民党寄りの新聞は、
与党の頭のすげ替えを要求した。

朝日新聞。
「石破首相は早々に続投の意思を示したが、
最終的に自ら掲げた目標を達成できず、
昨年の衆院選に続いて
『信任』を得られない事態となれば、
職を辞すのが筋だろう。
国民の支持のない政権が
長続きできるわけがない」

積極的に辞任せよではないが、
辞職が筋だろう、と言う。

毎日新聞。
「首相の責任は重い。
自民は参院でも
比較第1党に踏みとどまる見込みだ。
首相は続投の意向を示しているが、
党内から退陣を求める声が出ることは
避けられまい」

こちらも退陣の声が出ると指摘。

新聞としての意志は見えない。

日経新聞の社説は、
石破退陣には触れずに、
「政局の混乱を最小限にとどめ、
国政を停滞させないことが肝要である。
与野党には責任ある対応を求めたい」

「政治の勢力図は、
野党の新興政党が躍進することで
多党化が進みそうだ」

現状が劇的には変わらないという予想か。

中日新聞も日経に近い。
「与野党は議論を尽くして結論を得る『熟議』に、
これまで以上に真摯に取り組まねばならない」

6大新聞の社説。
読売と産経が「退陣」を迫る。

朝日と毎日は、
「辞任」が筋だろうと遠巻きに指摘する。

日経と中日は、
与野党の真摯な議論を促す。

私は石破でも石破でなくとも、
与党は長くはないと思う。

では野党にはそれに変わる政権がつくれるか。

それも否。

私自身、今回の投票では、
選ぶ候補者がいなかった。
選ぶ政党はもっとなかった。

そもそも選挙前の現金給付にも減税にも、
肯首することはできなかった。

自分の住むところに、
いい店がまったくなくて、
仕方なく買物する。
そんな消費者の気分だった。

新規参入した店舗にも、
残念ながら自分の好みの店はなかった。

そんな絶望感が深まった。

それでも政治は国にとって必要な機能だ。

大新聞の専門の政治部トップたちにも、
それが見えなくなっている。

「政党政治」には多くを期待せず、
その枠の外から何かが起こることに、
淡い期待を抱いて見続けることにしよう。

チェーンストアは、
一つの商圏内に次々に、
有力で魅力的な店が出現している。

強い者同士の競争は激しくなるばかりだ。
ポジショニング競争が起こっている。
選ぶ楽しさが増えている。

政治にはそれがない。

だから私は、
流通小売業の健全な競争に期待しつつ、
自分の仕事に邁進することにしよう。

欲しいのはこれだ。

ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。

では、みなさん、今週も、
あすへの希望を。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年07月20日(日曜日)

休養日にゴルフラウンドし、参院選投票し、ぐっすり眠った。

三連休の中日。

熱い、夏本番。
それでも花は美しく咲く。
ルリマツリ。
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私は完全休養日。

この2週間、忙しく出張した。
群馬へ行った。
大阪には二度、往復した。
店舗を視察し、取材をし、
講演や講義をした。

休養の日はゴルフ。
そのほうが、夜、
ぐっすり眠ることができる。

快晴だが、雲も出ている。
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芝は生き生きとしている。IMG_4575 (002)

カートに扇風機が入った。
ミストが噴き出る。
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暑いけれど気分のいいラウンド。

構えることを「アドレス」と言う。IMG_4568 (002)

そして振り切る。
上総
それなりに楽しいゴルフだった。

早めのスタートで早めの帰宅。

そして自宅のそばの妙蓮寺。
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左が鐘撞堂、右が本堂。
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お寺のそばに港北小学校がある。IMG_4547 (002)
ここが私の投票所。

立候補者の写真が並ぶ。IMG_4546 (002).jpg2

体育館が投票場。IMG_4548 (002)

横浜市港北区第2投票所。
参議院神奈川選挙区選挙と比例代表選挙。IMG_4560 (002)

投票しました。
そして「投票証明書」を受け取った。IMG_4550 (002)

期日前投票をしようと思っていたが、
当日投票となった。

最近の投票で毎回思うけれど、
「立憲民主党」も「国民民主党」も、
政党名の略称は「民主党」。

投票結果に基づいて案分することになっているけれど、
制度として見ていまだに腑に落ちない。

私はこれまで一度も、
自分の意志で棄権したことはない。IMG_4555 (002)

28歳の時に引っ越しをした。
その移転届が役所で滞っている間に、
国政選挙があった。

そこで私の選挙権が空白になってしまった。
その時だけ、やむなく投票できなかった。

周辺にも息子や娘にも、
選挙権を行使することは、
国民の重要な権利であり、義務であることを、
強調してきた。

夜8時には開票速報が始まった。

自民・公明の与党、惨敗。
国民民主・参政党が躍進。

自民党支持だった票が、
そっくり参政党に移り、
その分、国民民主や立憲民主党が、
選挙区選挙で上位になった。

自民・公明を含めて共産党、社民党など、
古い政党が大きく後退した。

比較的新しい政党も、
ちょっと古い印象になって、停滞した。
維新の会、れいわ新選組。

政党政治のコモディティ化が進んだ。
そしてそのコモディティ化現象はスピードアップした。

だから維新もれいわも、
古い政党のイメージとなった。

もっとも新しい参政党と日本保守党は、
その伸びに明暗が分かれた。

日本の政治の大きな転換点となった。

しかしこれは米国のトランプ現象と酷似する。
ヨーロッパのドイツ、フランス、
それにオーストリアと同じだ。

向こうが先行していると考えていい。

かつての分類では、
右翼、あるいは保守が伸びる。
しかし第1党になっても、
それらは政権を担うことができない。

国民民主も参政党も、
国政を主体的に担うことは、
考えていない。

批判勢力となり、
その声を集めるのが、
政党として拡大しやすい。

一方、日本でも女性議員が増えた。
それはとてもいいことだ。

日本は政党政治だ。
だが私には今、支持政党がない。
その政党政治そのものに変容が見えている。

私たちの未来はどうなるのだろうか。

そんなことを考えさせられる参議院選挙だった。

ブレーズ・パスカルの「パンセ」
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断章三三〇。

「権力は、民衆の理性と愚劣さの上に、
基礎を置いている」

「どちらかと言えば、
愚劣さの上に立つ要素が、
はるかに大きい」

「この世で最も偉大で重要なものが、
弱さを基礎としているのである」

納得できる。

「ところが、この基礎は素晴らしく確かなものだ」

「なぜなら、民衆は弱いということ以上に
確かなことはないからだ」

「健全なる理性、たとえば、
知性の尊重といったたぐいの上に、
基礎を置いているものは、
はなはだ座りが悪い」

いまやエリートや科学的思考すら否定する者が、
多くの民衆に支持される。

健全なる理性は座りが悪い。
17世紀の哲学者の透徹した視点に感動するが、
そこでどうすればいいか。

投票から帰ってうたた寝をした。
夜はぐっすり眠った。

〈結城義晴〉

2025年07月19日(土曜日)

「せんきょのことば選挙学習小辞典」とカスハラ対策「名札」の変更

関東地方も梅雨明けした。

そして三連休。

月曜日は海の日。
明日の日曜日は、
第27回参議院選挙。

朝日新聞「折々のことば」
第3445回。

くにが みんなから 
おかねを あつめて 
その おかねを 
みんなのために つかって 
よい くにを つくること
〈『せんきょのことば 選挙学習小辞典』〉

それを「せいじ と いいます」と続く。

知的障がいのある人たちが、
支援者と一緒に作った辞典から。
(社会福祉法人・創思苑のサイト掲載)
sennkyo

当事者の誰もが政治に参加できる社会をめざし、
憲法や政党、選挙などの基本を丁寧に説明する。

公約は、
「たいせつな やくそく」です、
といった政治の原点にあらためて光が射(さ)し、
背筋が伸びる。

さらに最後のほうにあるのは、
「せんきょのまえにやること」

その答えは、
「しる、きめる、いく」

投票して終わりではない。

そして、
「とうひょうのあとにすること」

ふたつ あります。
「ひとつは
みなさんが えらんだ  ひとが
とうせんしたかを たしかめます。」

テレビ、ラジオ、しんぶん、
インターネットでわかります。

「もうひとつは
せんきょで とうせんした
ひと や せいとう が

わたしたちのために
これから なにを
やってくれるのかを

しっかりと みてください。」

この姿勢で投票し、
政治を見ていこう。

さて、店舗で働く人たちの名札が、
変わってきている。

コンビニが早かった。

昨年6月5日の商人舎流通SuperNews。

ローソンnews|
名札の表示内容見直し/任意の文字・アルファベット表記可能

ローソン昨2024ネは6月4日(火)から、
店舗従業員が着ける名札の表示内容の見直しを行った。
アルファベットでの任意の文字や
イニシャルでの表記を可能とした。
店舗従業員が安心して働ける環境を整備するためだ。
lawson_2020605_01

続いて、
セブン‐イレブンnews|
カスハラ対応のポスター掲示と従業員名札の仕様追加

セブン-イレブンも、
カスタマーハラスメント対応の一環として、
店舗に「お客様への告知ポスター」を掲示している。
カスハラポスタ0925
「従業員名札の仕様」も10月27日から追加した。7-11_cushara_20241028_2

スーパーマーケットではベルクが早かった。
ベルクnews|
カスハラ対策/店内接客時の名札の名前を非表示に

今年2025年2月から全店舗で従業員の名札を変更。
店内接客時の名前を非表示(STAFF表示)とした。
belc_20250318_01 (1)

従業員同士のコミュニケーションの観点から、
名札の裏面には名前を表示し、
バックヤードでの作業時や休憩時には、
名札を反転して使用している。

マルエツnews|
4/1から全店で名札表示を「STAFF」に変更

マルエツは4月1日(火)から全店で、
名札運用ルールを変更した。maruetsu_20250401_01

依然はひらがなで苗字のみを表記していた。
従業員のプライバシーを保護し、
安心して働ける環境を整備するため、
英字で「STAFF」表示の名札を着用している。

マルエツは日経新聞が取材して記事にした。

アオキスーパーnews|
快適な職場環境目指し軽装勤務可・名札着用廃止

アオキスーパーは6月から、
従業員の軽装での勤務を実施している。
aokisuper_20250630-01
同時に名札の着用を廃止している。aokisuper_20250630-02

そして、
ライフnews|
7/16から従業員の名札表記を役職・担当部門のみに変更

ライフコーポレーションは7月16日(水)から、
働きやすい職場環境整備のため、
従業員の名札表記を変更する。
life_20250716_01

変更前は役職・担当部門と、
ひらがなの名前を表記していた。
役職・担当部門のみを表記する。
個人のプライバシーを保護し、
安心して働けるようにするためだ。

カスタマーハラスメントが、
それだけひどい状況になっているということだ。

だから誰にでも名前をさらすことは、
避けるのがいいだろう。

しかしロイヤルカスタマーと従業員が、
互いに名前で呼び合えるような、
そんな店にはなってほしい。

〈結城義晴〉

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