5月最後の日。
忙しい1カ月間だった。
ゴールデンウィークの最中に、
月刊商人舎5月号を責了した。
特集は、
「現場の生産性」
私はヨーロッパ生産性本部の定義に、
感動した。
「生産性とは、何よりも精神の状態であり、
現存するものの進歩、あるいは、
不断の改善をめざす精神状態である」
「それは、今日は昨日よりも
良くなるという確信であり、
明日は今日に優るという確信である」
「それは、現状がいかに
優れたものと思われていて、
事実、優れていようとも、
改善していこうとする意志である」
「それはまた、条件の変化に
社会経済生活を不断に適応させていくことであり、
新しい技術と、新しい方法を
応用しようとする不断の努力であり、
人間の進歩に対する信念である」
いい出来栄えの、
お役に立てる一冊となった。
ゴールデンウィークが終わると、
アメリカ・ラスベガスに行った。
商人舎US研修会ベーシックコース。
よく学び、よく楽しんだ。
成果が上がった。
その足で新潟に入った。
翌朝6時にロピアムサシ新潟店に行った。
すぐに賄いをいただいた。
今週は月刊商人舎6月号の入稿。
「忙」は「心を亡くす」と言われるが、
そうとは限らない。
忙中閑あり。
忙しい中にも時間はある。
その忙中の時間ほど貴重だ。
朝日新聞「折々のことば」
5月27日の第3409回。
「見ることができないものには、
なることができない」
〈ハトラ・トーマスドッティル〉
1975年、アイスランドの女性の9割が、
仕事や家事から離れるストライキを打った。
このストライキは「女性の休日」と呼ばれた。
そして5年後、初の女性大統領が誕生する。
それがヴィグディス・フィンボガドゥティル大統領。
爾来(じらい)、この国は、
「ジェンダー平等最先進国」と言われてきた。
トーマスドッティル現大統領は、
2人目の女性元首。
その前方にはいつも、
先達の後ろ姿があった。
編著者の鷲田誠一さん。
「先達が見ていたものを、
その背中越しに見つめてきたのだろう」
アイスランドはイギリスの北にある島国。
日本の北海道と四国を合わせたくらいの面積。
人口は約39万人。
世界経済フォーラムの男女平等調査で、
アイスランドは5年連続で1位。
2022年の世界平和度指数と安全度指数でも1位。
いい国だ。
見ることができないものには、
なることができない。
だから多少、忙しくとも、
私は何でも見に行く。
現場主義である。
見ることができないものは、
知ることができないし、
理解することができない。
そして理解できなければ、
それを評価することもできないし、
それに近づくこともできない。
だから私はできるだけ、
現場に赴くことにしている。
それによって忙しくなる。
しかしそれは心を亡くすことではない。
5月ほどではないけれど、
6月も少しだけ忙しくなる。
けれど「忙中閑あり」を忘れない。
〈結城義晴〉